広がる「ポスト総合コンサル」の選択肢 他業種からの人気の背景は

2023.08.01
データ活用

執筆:天野彩
作図:上石尊弥
リサーチ協力:長峰源樹 / 小野寺花梨

もともと人気だった「ポスト総合コンサル」人材(大手総合系コンサルティングファームに所属する候補者)の人気が、IT系、金融系、商社系などコンサル系以外の業種からも高まっています。

図1 総合コンサル5社に所属する候補者へのスカウト送信数の増加比率

他業種からの人気も上昇

ダイレクト採用支援などを手がける株式会社ダイレクトソーシングは、自社のデータをもとに、国内の大手総合系コンサルティングファーム計5ファーム[1]に所属する候補者に送信されたダイレクト採用のスカウト送信数を分析しました。

その結果、2022年度末までの3年間でコンサル / アドバイザリー系以外の業種の企業から送られたスカウト送信数は、2019年度末までの3年間と比べて、総計で約2.6倍増えたことがわかりました。

なぜポスト総合コンサル人材の人気に拍車がかかっているのでしょうか。特にコンサルの人材が求められるポジションは、プロジェクトマネジメント(PM)や経営企画です。

図1では、IT系や金融系の企業の社内システムを上流から要件定義し開発していくポジションでスカウト送信数が増えています。要件定義をしながらプロジェクトを動かすコンサルタントの仕事は、こうした仕事と親和性が高いのです。

求められる「外部の知見」

また、社外の知見を取り入れないといけないと考える企業が増えていることも人気の要因のひとつです。

近年は欧米に遅れてやってきたDX(デジタルトランスフォーメーション)化など、社会情勢の急激な変化の中で、ビジネスモデルの再構築や新規事業の立ち上げなど、多くの会社が変革に取り組まざるを得ない状況に立たされています。

これまでにはなかった規模の変革を求められているがゆえに、社内には対応できる人材がおらず、会社が生き残るために次世代の経営幹部の候補として社外のポストコンサル人材への期待が高まっているのです。

新組織でも活躍を期待、一方で課題も

大手企業には、DX化など全社的なプロジェクトを進めるためにCoE(センター・オブ・エクセレンス)と呼ばれる部門横断的に専門人材を集めた組織を設置する会社が増えています。

CoEでは経営企画や戦略の立案、業務プロセスの改善、部署ごとのニーズの整理や要件定義など、コンサルタントが得意とする業務を扱うこともあります。様々なステークホルダーとの調整が必要なため、コンサルの知見が生きやすい領域です。

このように、「ポスト総合コンサル」の活躍が期待される仕事の領域は今後ますます広がっていきそうです。なぜポストコンサル人材が欲しくて、どのような業務でどのような活躍を期待しているのか。
それを明確にし、自社の魅力をしっかりと説明できる準備をしておくことが、激しい人材争奪戦を勝ち抜くための第一歩です。

脚注
[1] デロイトトーマツ、EY、KPMG、PwC (Big4) の各グループファームとアクセンチュア

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