採用の羅針盤「ブランディング」と目線を合わせる「コンテンツ制作」の重要性

2023.08.01
考え方

執筆:雨宮百子
作図:上石尊弥
リサーチ協力:秋山紘樹

採用活動が思うように進まないとき、どのように改善に取り組まれていますか?実は、候補者へのアプローチより前の段階で見直すべきことがあるかもしれません。

図1 採用活動における7つのアクション

企業の熱を直接伝えるために

本記事では、採用活動における7つのアクションのなかで、特に「③採用ブランディング」「④コンテンツ制作」に焦点を当てて説明します。

採用現場では、どのエージェントを選ぶべきか、ダイレクト採用やリファラル採用をするべきだろうかという「⑤チャネルマネジメント」についての悩みをよく聞きます。
盲点になりやすいのですが、チャネルマネジメント改善のためには、その前の段階の「③採用ブランディング」「④コンテンツ制作」が重要です。

図1-1 採用活動における7つのアクション③④⑤

採用ブランディングは、候補者に自社が大事にしている価値観などを伝え、一緒に働くことをイメージしてもらうための活動です。

ブランディングプランを屋台骨に、候補者が企業に関心を持った時により多くの情報を得るために制作するのが、採用動画や社員インタビューなどの採用コンテンツです。充実したコンテンツを自社で制作することで、候補者に直接メッセージを伝えることができます。

お互いに限られた面談時間をより充実したものにするためにも、基礎的な情報はまとめて採用ページに記載しておくことが望ましいでしょう。

一貫したブランドメッセージが採用の屋台骨になる

例えば株式会社サイバーエージェント(以下、サイバーエージェント)では、「挑戦と安心はセット」という考え[1]のもと、社員がキャリアや働く環境に安心感を持ち、長く働き続けられる制度を設計しています。制度設計の考え方は、採用サイトにリンクが貼られているオウンドメディアの記事などで確認できます。

同社は不安なく一生働ける環境をつくることを目指し、年功序列を排除した「実力主義型終身雇用」を提唱しています。十分な実力があると認められた社員は一生涯働き続けることができます。

全従業員に占める女性の割合は32.1%、管理職における女性比率は22.3%[2]と、全国平均[3]と比べて女性社員の比率が多い同社らしい独自制度が「女性活躍促進制度 macalonパッケージ」[4]です。「ママ(mama)がサイバーエージェント(CA)で長く(long)働く」という意味があります。

キャリア上重要な時期と妊娠適齢期が重なるという女性特有の悩みに向き合い、キャリア形成の選択肢を増やし、安心して挑戦してもらえるようにするため、卵子凍結に関する費用を補助する「卵子凍結補助」や、妊活に興味や不安がある社員が専門家に相談できる「妊活コンシェル」などの制度が整っています。

「環境はしっかり整えているので、安心して挑戦してください」というこの一貫した姿勢は、転職を考えている候補者に良いブランドイメージを与え、採用にプラスの影響をもたらしていることでしょう。

「③採用ブランディング」として打ち出したメッセージを、「④コンテンツ制作」でコンテンツにする。そして、「⑤チャネルマネジメント」で活用する。この循環を地道に回し続けることが、昨今の採用現場では重要です。

参考文献
[1] 株式会社サイバーエージェント, 働きやすい環境 福利厚生
[2] 株式会社サイバーエージェント, 働きやすい環境 ダイバーシティ
[3] 株式会社帝国データバンク, 2021年8月16日, 特別企画:女性登用に対する企業の意識調査(2021年)によると、全国の企業の従業員に占める女性の割合は平均26.5%、管理職に占める女性の割合は平均8.9%だった
[4] 株式会社サイバーエージェント, 働きやすい環境 福利厚生
   Cyber Agent Way, 2022年8月22日,「“自分らしい働き方”の選択肢を」社員の挑戦を応援する制度「macalonパッケージ」

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